三重県在住のジャーナリスト伊藤孝司さんによる「メディアが伝えない『フクシマ』・『ヒバクシャ』」について、内容の一部をご紹介します。
原発事故で最も気になることは、被曝線量がどのくらいになっていて、体への影響がどのくらいあるのかということではないかと思います。下の表は、日本政府が基準としている国際放射線防護委員会(ICRP)作成のものです。

名古屋市北区の2/26日午前8時~9時の放射線量は1時間あたり0.04マイクロシーベルト(愛知県発表)でした。仮に1年間0.04マイクロシーベルトの放射線を浴びるとすると、約0.35ミリシーベルト被爆することになります。一般市民の線量限度以下となります。
1947年、広島と長崎に「原爆傷害調査委員会」(ABCC)が設置されました。ABCCは核兵器開発を推進してきた「アメリカ原子力委員会」が管轄した機関で、原爆被害者の外部被曝調査だけを実施してきました。ICRPは、そのABCCのデータを用いて放射線防護基準を策定しました。したがって、ICRPの基準は内部被曝を考慮に入れられていません。このため、1997年に設置された「ヨーロッパ放射線リスク委員会」(ECRR)は、ICRPの基準を批判しています。また、2003以降の原爆症認定集団訴訟では原告側が27連勝と政府は敗訴し続けていますが、政府が根拠としてきたのが、ICRP基準でした。すでにICRP基準の妥当性が崩れていますが、日本政府は放射線防護基準はICRP基準のままで変更していません。従って、ICRPに基づく、日本政府基準のこの表そのものに信頼をおけないと伊藤孝司は指摘しています。
つまり名古屋市の放射線量はけっして安心できる数字ではないかもしれないということになります。(つづく)